【完】恋愛条件
マフラーを首に巻いて静香の家の前に来ると、静香は白い息を吐きながら立っていた。
「バカ、風邪引くぞ」
「…淳、ひゃっ」
「大人しくしろ!」
静香の首に自分の巻いていたマフラーを巻かせた。
「で、何で泣いたの」
「それは~…」
頬を赤く染めて言葉を濁す。
泣くほど、何かがあったって事だよな?
まさか、イジメとか?
そんな事を考えていると、口ごもっていた静香はやっと口を開いた。
「雫に取られたのが嫌だったの…」
静香は赤くなった顔をマフラーに半分埋めて隠した。
語尾が小さくって聞き取り難かったけど…
…え??、今何て言いました??
「し、静香??」
「う~っ、好きなの!!淳が!!」
゛言わせないでよ、バカ゛まで付け加えた。
って事は、雫といた事が嫌で泣いて…
しかも、俺のことが好きで…
「えぇ~っ!?」
俺は静香からの爆弾発言に、嬉しさと驚きが混じり、叫んでしまった。