【完】恋愛条件
想いが通じ合って数ヶ月後…
異変はこの時から起きていた。
「静香、早く行くぞ」
「ごめんね!待たせちゃって!」
冬が終わり、春が終わり夏を迎える6月中旬の休みの日。
これから、駅前の映画館で映画デート。
なのに、こいつは最近遅刻ばかりする。
必死に謝り続けて、静香は自転車の後ろに乗った。
「!!」
「どうかした?」
「や、別に…」
そう言って平然を装って、駅に向けて自転車を漕ぎ始めた。
だが、静香が乗った瞬間、違和感を感じた…
体重が軽くなってる気がする…
俺は、ダイエットでもし始めたのだろうと簡単に思った。
―…
「そういえば、雫生きてっか?最近見てねーけど」
「何か、テストがヤバイ点数だったみたいで、今必死に勉強してるよ」
「はっ、アイツはバカだかんな」
俺は必死に勉強してる雫を勝手に想像して、鼻で笑ってやった。
雫に勉強なんて似合わねー。