【完】恋愛条件
俺は力無く近くの椅子に座った。
「頼む…っ」
俺、何でもするから…
神様、静香を死なせないでくれ…っ
「淳くん!!」
「雫…、おばさん」
名前を呼ばれて横を見れば、走り寄る雫とおばさん。
きっと、連れてこられた時に医者が家族に連絡したんだろう。
「ねぇ、お姉ちゃんは!!」
「今、手術室に…」
それを聞いて雫は鳴き始めた、それを慰めるおばさんも目に涙が溜まっていた。
「雫、淳くんに話したら?」
「ママ…」
「話し…?」
おばさんが雫に言うと、雫は俯いて黙り込んだ。
話しって何だよ…っ
「お姉ちゃんには言うなって言われてたんだけど…っ」
「何だよ、何を黙ってたんだよっ」
俺が雫の肩を掴んで迫ると雫は真剣な顔で言った。
「…喉の病気なの」
「の…ど、病気??」
意味が分からない、静香が病気?!
直ぐには理解出来ず、頭が真っ白になった。