【完】恋愛条件
それからしばらく経って…文化祭当日。
「あれ?茅原は??」
いつも近くにいる朱祢の姿が見当たらず、俊介があたりをキョロキョロすると理由を知る蓮が口を開いた。
「何か、便所で男装中…」
「あぁ、そっか」
クラスの男子達が正装に着替えて朱祢の帰りを待っていた。
『あの~っ、入ってもいい??』
「あ、全員着替えたからいいぞ!」
ドアの向こうから黒いシルエットが見えて朱祢の声が聞こえて、近くにいた淳が声をかけた。
―…ガラッ
『へ、変かなぁ??』
控えめに入ってきた朱祢。
髪はウィッグをつけて短髪。
服は白のYシャツに、黒のネクタイとスーツ。
顔は幼く見えるが、かなりの美男子に見える。
「「男じゃね~かっ!?」」
『え!!本当に!!』
みんなが朱祢の意外な似合いさに驚いて焦りを感じるが、朱祢は男子達の言葉を勘違いして褒め言葉として受け取ってしまった。