【完】恋愛条件
屋上につくと暖かい風が私達を包み込む。
『雫ちゃん、あれから浅田くんとは…?』
「普通に接してくれてますよ」
フフッと嬉しそうに笑う雫ちゃんに私はある疑問をぶつけてみた。
『雫ちゃんって、浅田くんの事好きだよね…??』
「……」
雫ちゃんと私の間にしばしの間が空いた。
「…え、えぇーっ!!!」
ズザザーッと後ろに勢いよく下がった雫ちゃん。
やっぱり、好きなのね…
『告白しないの?』
「そんな…、無理ですよ。淳くんまだお姉ちゃんの事好きだし…」
そっか、お姉ちゃんに遠慮をしてるんだ…
なんか雫ちゃんを見ていると昔の…、
蓮を好きって気づいた時の私に似てる気がする。
だからー…
『臆病になるな!』
「えっ!」
私の強い口調に雫ちゃんはビックリして、伏せていた顔を上げた。