【完】恋愛条件
自分の気持ちに目を逸らして、なかった事にして…
そんなんじゃ…
『自分が辛いだけじゃん』
「…朱祢さん?」
これじゃ、自分が辛いだけ。
誰かに遠慮して気持ちを伝えずにずっとそのまま何てダメ。
『まだ、浅田くんが静香さんの事が好きであっても…雫ちゃんにだって、好きって言う権利はあると思うよ』
「…でも」
『心配しなくっても、浅田くんだって雫ちゃんを気にし始めてるよ?』
「え…?」
状況がわからない雫ちゃんに種明かしする為、ドアに向かって叫んだ。
『尾行と盗み聴きはよくないんじゃない?
…浅田くん!』
「え!!淳くん!!」
浅田くんの名前を出すと雫ちゃんもドアの方に向いた。
すると、ゆっくりと開かれたドア…
そこからは…
「んだよ、いつから気づいた」
『尾行のセンス無さ過ぎ。ちゃんと隠れきれてなかったもん』
私と浅田くんだけで会話が進み、隣の雫ちゃんは何が何だか分からず困惑した表情。