【完】恋愛条件
「たまたま後からトイレ行く際に、茅原が雫を連れてく姿を見たから…」
『へぇー、顔真っ赤』
「―…ッ!!うっさい!!」
浅田くんは怒って、顔を真っ赤にしながらプイッと逸らした。
分かりやすー…。
『そんじゃ、私蓮達のところに戻るわ!
浅田くんは雫ちゃんと…ね!』
「って、おい!!茅原!!」
私が横を通り抜けると、顔が真っ赤のまま私の背中に向かって叫んだ。
そんな姿を想像して笑って屋上を後にした。
朱祢が出て行った後、恥ずかしそうに向き合う二人。
「えっとー…」
「まぁ、最初っから聞いてたわ…」
「……」
雫から目を逸らして、ポリッと首筋を軽くかいた。
雫は目をキュッと瞑って意を決して口を開いた。
「わ、私、淳くんの事が好きっ」
「…っ」
改めて正面で雫の気持ちを告白されて戸惑う淳を見て、雫は眉毛を下げて笑顔を作った。
「でもね、
お姉ちゃんにかなわないのは知ってる。だから気持ちだけ受け取っといて…」
泣きそうな顔をして無理矢理笑顔を作る雫に淳は胸が痛んだ。