【完】恋愛条件
「…んな事、出来ねーよ」
「淳くん?」
ツカツカと雫の前に近づき腕を伸ばした。
―…ギュッ
淳の腕の中にスッポリと抱きすくめられた雫。
「あああ、淳くん?!」
「うっせー」
お互い顔を赤くして、見つめ合った。
「わかんねぇーけどお前の事が気になんだよ。
変だよなっ。命日の墓参りの時から雫を見てると緊張して、全く静香とは似てないのに…」
「…っ?!」
「余りにも女に成長した雫にドキドキしてんの!」
昔まで短かった髪に手を伸ばすと、腰まで伸びた髪がサラリと手からこぼれ落ちた。
「それって…」
「…っ、だーかーらー」
雫の頭に手を回して顔を自分の方に引き寄せて…
「好きだ」
お互いの唇が重なった。
空は虹色の橋がかかっていた。
まるで、静香が二人を祝福してるように…