【完】恋愛条件
「とりあえず、ベランダ…」
『うん』
先にベランダへと行った倉谷くん。
そんなにマズイ事なのかな…
「中学の時の言っていいんかなぁ~っ」
しゃがみこみ頭をガシガシとかいて髪がボサボサになった。
私も隣に座り、話してくれるのを待った。
「…蓮はさ…、中学の時結構荒れてたんだよ」
『荒れてた?あの蓮が?』
「まぁ、俺は中3から知り合ったから、よくわかんねーけど…」
―…
二年前、俺と蓮が出逢う前の話…
「オラァッ!!!」
廊下中、人のギャラリー。
その輪の中では当時中2の蓮と先輩がタイマン勝負をしていた。
「また、やってるよ。三浦 蓮…」
「先輩の奴をやって平気なのかよ…」
周りの奴らがザワザワしだす奴もいるわー、応援している奴らもいる。
俺も人混みの中で、黙って蓮と先輩のやり合いを見ていた。
「こんなもんかよーッ!!!」
叫んで力いっぱい入った拳を先輩に目掛けて振り下ろした。
思いっ切り、顔面に入った先輩はそのまま倒れた。