【完】恋愛条件
―…
人混みに飲まれて数十分…、やっと人混みから解放された。
『蓮ー!!』
とりあえず、名前を呼んで探し回るが蓮らしき人影すら見つからず…
『そうだ!!携帯に!!』
小さな巾着袋から携帯を取り出して、蓮に電話をしてみる。
゛トゥルルルル゛
すぐに発信音が耳に入った。
電話を掛けながらも辺りを見回した。
「えー、女なのー?」
その時微かに蓮の声が聞こえた。
人混みが引いてくるとともに、蓮の横顔が見えた。
『れ!!…ん…』
名前を呼んで手を上に上げたが、上げた手が次第に下がる。
「バカにしやがってー!!」
隣には可愛らしい女の子。
その子は蓮の胸元を軽く叩いてて、蓮は楽しそうに笑っていた。