【完】恋愛条件
゛トゥルルルル゛
未だに切らずにいる携帯を耳から少し外すと、目の前の蓮は慌ててポケットから携帯を取り出した。
゛トゥル…、もしもし!!朱祢?゛
すると、私の電話に出た蓮。
私はぼーぜんと蓮を見つめて再び携帯を耳に当てた。
゛今どこに…『楽しそうだね…』
ポツリと言った私の言葉にビックリしたのか、隣の女の子を見つめた。
゛お前、近くにいんの?!゛
『私さ、蓮の周りは男の友達だけって思ってたけど…、いるんだね女友達』
蓮の質問に答えず、泣きたい感情をこらえて冷たく言葉を言い放った。
女の子を見て私は悟った…
゛女にも不自由無く、手が早く泣かされた女は数知れず゛
倉谷くんが言ってた事は間違ってたよ。
『私、蓮を変えられてない…』
゛何に言って…っ゛
『倉谷くんが言ってた。女にも不自由無かったって』
だから、私も最初っから本気じゃなくって遊びなんでしょ??
その子が本命??
黒い何かが胸の中をざわつかせる。
これは、醜い嫉妬。