【完】恋愛条件
そこには夜空に光る無数の星達。
あまりにも綺麗に見えるものだから、見とれてしまった。
「すげぇーな」
『…』
目を輝かせて星を見上げる蓮を、私は黙って見ていた。
『ずっと、一緒にいようね…』
その言葉は虚しくも、海の波が岩に叩きつけた音でかき消された。
「何か言った?」
『ううん、別に!』
かき消されても、言葉に言えた事に満足した。
今度は私が空を見上げて星を眺めた。
デジカメでも持ってきとけばよかった、と今更後悔。
「そろそろ、帰るか?」
『そうだね!』
蓮の言葉をキッカケに、星を見て満足した私達は、夜も遅いとあって海の家に泊まることにした。
今年の夏は忘れられない位、いい思い出が出来たな。
そう、胸に熱く感じて岩場に別れを告げた。
また、来年も。
いや、ずっとこの星を蓮と見れたらいいな…