【完】恋愛条件






「ハッ、クシュンッ!!」



世界史の授業中に、
静かな教室に響き渡った声。



「あ、すんません」



その主は隣の席の蓮、
先生や周りのみんなの視線を受けて軽く謝った。



「三浦、風邪か?」

「いや、ただのくしゃみッスよ」

「ならいいが、気をつけろよ」



注意を促して、
また先生は授業を再開した。



『蓮、大丈夫?』



授業中の為、
普通の音量では先生にバレてしまう。


私は小さな声で蓮に聞いてみた。



「ん、大丈夫。
ただ、嫌な予感がする」

『嫌な予感?』

「ま、気のせいだろ」


蓮は軽く笑って、先生の書いてく文字を
再びノートに写していった。



嫌な、予感ね。

蓮がそんな事言うなんて珍しいな…



風邪じゃないかと心配もしたが、本人が平気と言ってるなら大丈夫だろうと思い、私もノートを写していった。


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