【完】恋愛条件


演技だけど、片足を庇いながら階段を下りて保健室前までやっと着いた。





━…ガラッ



「ほら、入れよ」

『はいはい』


蓮はドアを開けて先に中に入り、私が後に続いて入るとドアを閉めてくれた。

倉谷くんの言ってたように苦手っぽくは見えないんだよね…
前に私が倒れた時も普通に居てくれたし。



「あら?怪我人?」


奥の机に座ってた保健の先生が私に駆け寄った。



『いえ、私じゃなくって彼です』

「はッ!!お前足は?!」

『演技』


にっこりと嫌みったらしい笑顔で答えると蓮の顔は少し真っ青になった。



「お、俺、帰るから」

『ちょ、待ちなさい!!
先生!この人熱があるみたいなんです!』

「ちげーよ!!」


逃げようとする蓮の服を掴み、近くの椅子に座らせて先生に見せようとするが、まだ抵抗を止めない。


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