【完】恋愛条件
一瞬静まり返る室内、私は思わず…
『ぷっ』
と、吹き出して笑ってしまった。
『そのトラウマ可愛すぎっ』
「てめッ!笑うなッ!!」
『はいはい、動くと計れないよ』
大人に見えても中身は意外と子供なんだ。
これ以上蓮を不機嫌にさせるのはかわいそうで、何とか笑いをこらえた。
「あの演技、俊と仕掛けたろ」
『あんなワザとらしい演技に引っかかる方が悪いよ』
「たく、無駄な心配損かよ」
軽く溜め息を吐く蓮、私は驚いた。
本当に心配してくれたんだ…
「てか、熱無いだろ」
『あ、待って!!取らないで!!』
服の中に手を入れて体温計を取ろうとする蓮をまたしても慌てて止めに入るが…
━…ピピピッ
タイミングがよかったのか、取った瞬間に体温計が鳴った。