【完】恋愛条件
ゆっくりと離れるお互いの顔、彼は伏せていた目を開けた。
「俺は三浦 蓮(ミウラ レン)
キス初めてなの?目は瞑ったら?」
クスリと嫌みっぽい笑いをする彼に状況をやっと呑み込めた私の拳は震えていた
。
『…けん…な』
「は?」
『ふざけんなーッ!!』
バチンッと大きな音が廊下中響き渡り、最低男のコイツの声が学校中に響いたのは言うまでもない。
━…
「えーと、そこの二人はもう喧嘩か?」
私のクラスの担任、山田先生が私達を見て呆れ顔でみんなが見てる前で言った。
チラッと隣を見れば頬が赤く染まって不機嫌な三浦蓮の姿…
最悪にも同じクラス、隣の席になってしまった。
本当についていないとつくづく思う。
『先生、この学校に女子はいないの?』
「その事なんだが…っ」
何故か口ごもる先生…、嫌な予感。
その先の言葉も何となく理解できる。
「今年、女子は茅原だけだ」
『…』
もしかして、今年は厄年かしら?
なーんて頭に浮かんできた。