【完】恋愛条件


━…ガラ



「あ、茅原さん」


ドアを開けるとすぐ目の前に先生が立っていてお互い驚いた



『先生、出掛けるんですか?』

「出張なのよ…、具合悪いの?」


先生は私のおでこに手を当てた、先生の手が冷たくって何故か気持ちよく感じた



「おでこ…、少し熱いわよ?」

『熱ですかね??』

「微熱だと思うわ、でも体温は計って見て」


ソファーに座ると先生が体温計を゛はい゛と言って私に渡した
渋々、脇に体温計を挟み計り始めた



「先生には言った?」

『はい』

「じゃあ、これ保健室の鍵だから計り終わったら、一時間目はベッドで休みなさい」


白衣のポケットからうさぎのマスコットが付いた保健室の鍵を私に渡してくれた



「お大事にね」


出張で急いでいるのか、テーブルに置いていた荷物を再び持ち室内から出て行った

先生は合い鍵を持っていたのか、ドアからはガチャンと閉まる音が聞こえた



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