【完】恋愛条件
私は下から上がって再び部屋に戻ってきた。
すると、何故か机の前でぼーっと立っていた竜ちゃん。
『竜ちゃん?』
「あ、何?」
近づいて声をかけると、ハッとした表情に変わり私に笑顔を向けた。
『夕飯、食べていかない?』
「いいの?」
『全然いいよ!お母さんも誘ってるし!』
久々に竜ちゃんに会えたんだもん。
明日も会えるけど、今も少しお話したいし…
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
『やったー!!ほら、下に行くよ!』
私は無理矢理、竜の背中を押して部屋から出した。
━…
パタンと携帯を閉じてベランダからの景色を眺めた。
「きっと今朝の奴だよな」
蓮は今朝、朱祢と竜が抱き合っていた光景を思い出した。
「負けてたまるかよっ」
竜の顔を思い出しながら拳を握り締めた。