【完】恋愛条件
第 7 条件 切れない糸
追いかけていた黒髪の人物から数メートル離れた所に立って気づいた。
『違う…』
近くで顔を見ると全く知らない人…
私が追い求めていた゛蓮゛ではなかった。
黒髪ってだけで蓮だと思うの変だよね…
あんだけ忘れなきゃって思ってたのに忘れられてない。
『はぁ…』
溜め息を漏らして、空を見上げる。
竜ちゃんといる時も蓮の事ばかり考えてた…
手を握られた時も竜ちゃんの後ろ姿が蓮と重なってドキドキしてた。
『自分、バカだなー…』
私は元の場所に戻らず、トボトボと宛てもなく歩き始めると…
『あれは…』
横を見ると少し離れた場所に大きな観覧車が目に入った。
あの観覧車は確か雑誌に載ってた気がする…
確か好きな人と乗ると結ばれるとかでありがちな特集してたなー…
『竜ちゃんには悪いけどもう少しだけ一人になりたいな…』
私の足は自然と観覧車に向かった。