【完】恋愛条件
何であんなに不機嫌な顔すんのよ…っ
「茅原、前進み出したよ」
『え!』
倉谷くんに前を指さされて振り向くと、前の人達は先を進んでいた。
慌てて前の人の後を追って、体育館に入った。
━…
「そこ、茅原で隣は倉谷な」
先生に指定されたパイプ椅子に倉谷くんと隣同士になり椅子にゆっくりと座った。
チラッと周りを見ると何故か他クラスの男子の視線がみょーに痛い。
「男子にただ一人の女子だから珍しいんだな」
『そうみたいね…』
倉谷くんは私の見てる先を見て心情がわかったみたいで苦笑をした。
『話変わるけど!倉谷くんって今朝、下駄箱で私を見てた??』
「ん?あぁ、女子なんて珍しいからさ」
やっぱりね、なーんか今朝の二人組の中に居た気がしたのよ。
「てか、蓮になんかされた??」
『え?何で??』
「茅原が行った後に、蓮が来てさ、妙に茅原を気にしてたから」
『あー…』
私は倉谷くんから目線を外して言葉を濁した。