軟派な王子様【完結】
私たちはお昼を食べ終わる頃にはもうへとへとに疲れていた。


「あー疲れたー。」
「でも楽しい!!」
「次どこ行く??」


そんなことを話しながら私たちはテラスに座っていた。

「ねー増田くん、喉渇いたんだけど、あれ買いに行かない??」

「おう。俺も喉渇いた。」


二人は輝く笑顔を見合わせながら席を立った。



私と昇君が二人になり、気まずくなる。
ちらりと顔を見ると、見事に目が合ってしまった。





私は決意した。


「あっあのさ、あたしね。」


昇君は変わらぬ爽やかな顔を私に向ける。

私の中に確かな強い罪悪感が漂う。

こんなに優しい人なのに…。

「その…。」

嫌いじゃない。

私の大切な人には変わらない。


でも…。



「あたし…。」


あたしは答えを出さなきゃならない。
そしてそれは、中途半端じゃいけない。

「いろいろ考えたの。」

その言葉が、昇君の顔を曇らせた。


「あたしね、昇君とは―。」
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