軟派な王子様【完結】
俺はどうしてしまったんだろう。


いても立ってもいられないこの気持ちは遊園地へと足を走らせていた。



早く…



早く一姫を探し出さないと一生一姫は戻ってこない気がしてならなかった。

その気持ちは俺を焦らせた。
汗が流れ出る。


頭に浮かぶのは一姫の数少ない笑顔。



揺れる一姫がくれたストラップ。
今は見るたび切なくて…。


一姫を抱きしめたとき初めて感じた温もりが悲しいほどに俺の体にゆっくりと流れてきた。

俺はそれを感じた途端に体中が震えるのがわかった。






恋に溺れたこのからだが…








その時、俺の後ろから甲高い声がした。
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