軟派な王子様【完結】
翔のことを私はなんだと思ってたんだろう。
翔は虚ろな目を私の方に向けて、うっすらと笑った。
その笑顔は本物で、何よりも嬉しそうで、まるで目の前に広がる花火を見るような目をしていた。
そして、震える手で私の手を掴んだ。
「俺の負けだ。」
「え??」
聞きたくない。
「五ヶ月でお前を落とすことが出来なかった。それどころか…」
翔は私に悲しい目を向けた。
それは雨なのか涙なのか…。
潤む瞳を隠すように…。
「俺がお前を好きになっちまった…。」
私の目から初めて涙が溢れた。
何年流していなかっただろうか。
今まで溜まっていたすべてのものが吹き出すように、流れ出してくる。
意識の朦朧とする翔には、私の涙が頬を伝う雨に見える。
「もう、お前には付き纏わない。安心しろ。」
そういいながらも私の手をしっかりと握る翔の手が悲しくて、せつなくて…。
意識が朦朧としていた。
はっきりわかるのは、俺の握る手が一姫だということだけ…。
翔は虚ろな目を私の方に向けて、うっすらと笑った。
その笑顔は本物で、何よりも嬉しそうで、まるで目の前に広がる花火を見るような目をしていた。
そして、震える手で私の手を掴んだ。
「俺の負けだ。」
「え??」
聞きたくない。
「五ヶ月でお前を落とすことが出来なかった。それどころか…」
翔は私に悲しい目を向けた。
それは雨なのか涙なのか…。
潤む瞳を隠すように…。
「俺がお前を好きになっちまった…。」
私の目から初めて涙が溢れた。
何年流していなかっただろうか。
今まで溜まっていたすべてのものが吹き出すように、流れ出してくる。
意識の朦朧とする翔には、私の涙が頬を伝う雨に見える。
「もう、お前には付き纏わない。安心しろ。」
そういいながらも私の手をしっかりと握る翔の手が悲しくて、せつなくて…。
意識が朦朧としていた。
はっきりわかるのは、俺の握る手が一姫だということだけ…。