軟派な王子様【完結】
ちょうど学校帰りの一姫が香織と校門の前を歩いていた。


一姫は一瞬変な顔をしてくるっと向きを変えた。

「どこ行くんだよ一姫!!」


俺は一姫の肩を掴んだ。
一姫の肩が震えている。


気のせい??


違う。


「なんで泣いてんだよ!?」

香織がため息をついた。


「一姫がどれだけ心配したと思ってるんですか??」


そうか…
一姫が俺を運んでくれたんだ…。


そして気がついた。
一姫の細い足には無数の擦り傷。


「どうしたんだよ、その怪我。」


するとまた香織が口を挟んだ。

「何となく察しはつくでしょ。」


俺を運んだとき??

一姫は唇を食いしばって鞄で足を隠した。



「元気になるなら最初から早く言いなさいよ!!馬鹿!!」

一姫は怒鳴ってまた歩きだそうとした。
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