軟派な王子様【完結】
次の日――。




「ねー!!昨日のかっこいい男の人誰なの!?」

「ほんとめっちゃかっこよかったー。彼氏!?」

「うわー一姫もなかなかやるのね!!」

「それにしてもあのキス!!羨ましー!!」



私の席の周りには、普段あまり話をしたことのないような女子までもが寄って来て、凄まじいことになっていた。


男子は冷ややかな目で私を見る。



完全に軽い女だと思われてる!!




完全に馬鹿にされてる!!




男に馬鹿にされるなんて!!



「いい加減にして!!あいつとはなんにも関係ないの!!知り合いでもない!!勝手な想像で冷やかさないで!!」


私は囲む群れをかきわけて教室を出た。


「一姫!!」



香織の叫ぶ声が聞こえた。
私はそれでもかまわず廊下を走り続けた。
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