軟派な王子様【完結】
挑戦状
「あーすっかり遅くなっちゃった。お母さん怒ってるかなー。」



その日は休日で、久しぶりに香織と買い物に出掛け、食事までしていたら夜十一時をまわってしまった。


かなり焦って足早に歩く。



夜道は街灯も少なく、まだ肌寒い風が時折吹いた。


「そうだ!!近道しよっ!!」


私は住宅街から少し離れたビルの隙間に入っていった。



隙間は狭く、人一人が歩くだけで精一杯だ。


やっと隙間をでた。



ここからは少し物騒な道が続く。


私の足はいつの間にか走っていた。



その時だった。




「キャッ!!」




何かに引っ掛かって足がもつれた。

足元を見るとそこには怖い顔をした若い男五人が座り込んでいた。



その一人をどうも私は蹴ってしまったらしい。
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