軟派な王子様【完結】
拳が顔面に入るその瞬間。


私は反射的にその拳を手で止める。


もうその拳は動かない。



「あたしを舐めんなつったばっかりだろ。」


私はその拳を握ったままねじり倒す。



「ぎゃー!!やっやめろー!!」

「くそっ。」


不覚にも一人の拳が私の腹部に入った。

激痛が走る。



足がよろめく。






こんなことで男に負けるあたしじゃないんだから!!



その光は突然だった。



車がまばゆいばかりのライトを点し、私たちの前に現れた。

思わず目を細める。




中から出てきたのは…
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