軟派な王子様【完結】
「ほっ…ほんとだよ。俺を待たせるなんていい度胸してんじゃねぇか。」


何動揺してんだ…

俺…。


「ってかさ…なんでスーツなわけ??」

「は??」


一姫はジーパン。
俺はスーツ。

あまりにも対照的だった。

「何言ってんだおめー。これからいく場所わかっ てんのか??デートだぞデート。」

俺は携帯で車を回させた。いつもの運転手がドアを開ける。


俺は迷わず車に乗り込む。
一姫は眉間にシワを寄せて不思議そうな顔をしている。


「ほら、早く!!」


ぎこちなく一姫は車に乗り込んだ。


「どこ行くわけ??」


一姫は窓の外を見ながら顔をしかめた。


「黙ってついてくりゃーいいんだよ。」


まずはオペラ。


あらかじめVIP席を用意しておいた。


俺は一姫を一番舞台が見やすい場所へ座らせた。


オペラは三時間。

いよいよクライマックス。

俺はふと隣を見た。


どんな輝いた目で舞台を見つめているのだろう。


「は!?」


一姫は完全に熟睡していた。


まったく…

芸術っていうのがわからない女って魅力ねーなー。
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