軟派な王子様【完結】
やっぱあの心臓の高鳴なりは錯覚か…。


よだれまで垂らしやがって。

女かほんとに…。


でも一姫の睫毛は長く、白く綺麗な肌が輝いていた。

オペラが終わった。


一姫の目がムズッと動いた。


見とれていた俺は我に返る。


「何で寝てんだよ。」

俺は恥ずかしさから口調を荒げた。


一姫は口を尖らせる。

「何でって…。」

「まぁいいや。次は…。」


美術館。



こういう芸術を見て癒される。

女はそういう男に憧れる。


「ねーこの水彩画綺麗だね。俺会社で疲れるといつもここに来るんだよねー。やっぱ癒される。」


俺はあまりにも静かな一姫を見た。




「一姫??」




一姫の姿がない。


「あいつどこ行ったんだよ。」
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