軟派な王子様【完結】
キャバクラでは俺は王子のように扱われる。


「きゃー!!安西様がこられたわよ!!」
「早く出来るだけ女の子集めなさい!!」

俺が席につけば、女の目線は全員俺に集まる。


一人の女に腕を回せば、また一人の女が俺の胸に寄り掛かる。
右手に煙草を持ち、左手にドンペリを掲げる。


「社長。プロジェクトの件なのですが、今回の予算につきまして」

「お前らが適当に合わせとけ。」

そんな話し聞きたくない。汗を流して困惑するおやじたち。

「でわ、一部の部署の改正計画案なのですが」

「改正??」

「はっはい。」

「そんな権利はない。刃向かった部署の長は解雇だ。」

俺は二本目の煙草を出した。
傲慢だと言われてもいい。
怠慢だと言われてもかわまない。
俺は俺のやり方を突き通す。


どんな人間だって俺の掌に乗る。
そうすりゃあ転がしたって、握り潰したって誰も文句なんざいわない。
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