軟派な王子様【完結】

俺はフロアーを下りた。


辺りを見回す。







一姫はフロアーの隅にあるベンチに腰をかけてあくびをしていた。




｢いきなりいなくなんなよ。｣




俺が一姫の前に立つとまた一つ大きなあくびをした。



｢あのさー。｣


｢次いくぞ。｣


俺は高級ホテルの最上階にある高級レストランまで一姫を引っ張って行った。






こんな場所に連れて来られて喜ばない女は今までに出会ったことがない。


窓の外には星を散らしたように美しく輝く夜景。

目の前には凝りに凝った豪華なディナー。






それでも一姫の顔はいつまで経っても笑顔を見せない。







｢ちったー嬉しそうにしろよ。｣



一姫はだらだらと食事をとる。






全く素直じゃねーな。