軟派な王子様【完結】
俺はついにポケットの中のものを取り出した。


そして食事終わりに飲み物を口にしている一姫の前に出す。





「今日付き合ってくれた御礼のプレゼント。」




一姫は相変わらずの顔を崩さないまま箱を開ける。


中はダイヤのネックレス。

この日のために買ってこさせておいたものだ。



これが最後のビッグサプライズ。





これでこの女も俺のもの。
すると一姫はゆっくりと箱を閉じた。




「お返しします。」


「は??」




俺は口をあんぐりと開けてしまった。



「気に入らなかった??でもこれ今人気のブランドの限定モノで」



「ほんとに…どうしてあんたみたいのに女が引っ掛かるんだろ。」





一姫の言葉に耳を疑う。









「確かにあなたはレディーファーストも出来るし、オペラや美術館が似合うインテリかもしれないわ。でもね、それをアピールされてもこっちはなんにも楽しくない。ジーパン履いてこんなとこで食事して。デートにスーツもあたしは納得いかないし。」



一姫はもう一度水を口に含んだ。
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