軟派な王子様【完結】
「最後にこんなプレゼントもらってもなーんにもうれしくなんかない。どこのブランドか知らないけど興味ないよ。」




俺の目の前まで一姫は箱を押し戻した。


「興味ないわけないだろ!!お前だってそーやって同じようなネックレスつけてんじゃねーか。」


俺は一姫の胸元で光るネックレスを指差した。


「何言ってんのよ。一緒にしないで。これは香織が誕生日に買ってくれたものなの!!例え数千円でも私にとっては大事な宝物なの。香織の想いが詰まってるんだから!!」



一姫は大事そうにそのネックレスを握った。



ここまで扱いずらい女だとは思わなかった。


「お前変わってんなー。」




思わず口に出した言葉に一姫は異常に反応を示した。




「私が変わってんじゃなくてあんたが変わってんのよ!!だいたいね、あたしはまだ高校生なの。その辺の低級キャバクラ嬢じゃないのよ??そんなブランドちらつかされて喜ぶような女じゃないの!!」




俺の負けず嫌いが炎のように燃えたぎる。
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