軟派な王子様【完結】
「遠藤さん。」










声の元を辿るとそこには昇君がいた。

私の鼓動が一気に高まる。

昇君はいつになく神妙な顔をしていた。



やっぱり…怒ってんのかな。




「ごめんなさい!!」




頭を下げたのは…





昇君のほうだった。


「え??」


私は深々と頭を下げる昇君を前に困惑する。



「遠藤さん、とっても困ってるみたいだったから…。ごめんね、今一番忙しいときなのに。」


昇君は気遣いが出来る人だ。
きっと私の小さな変化に気付いたんだ。


私は本当に申し訳なくなった。



「そっそんなことないよ!!こっちこそごめんね。私がいけないの。昇君にあんな態度とっちゃって…。」

















「僕…本気なんだ…。」





















教室にはオレンジの淡い光が入り込み、昇君の顔を照らしていた。
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