軟派な王子様【完結】
それをまるで聞き流すかのように返事をした香織の顔は笑っていた。


「それより、あんたたちはどうなわけ??」


私は話をずらそうと、増田のことを聞いてみた。


するとそれまで笑っていた香織の顔が急に真剣になった。



「あたしさ…。」


一瞬緊張が走る。


「あたし…告白しようと思う。」



そして沈黙。




「えぇぇぇぇぇ!!」


私は本当に驚いた。


香織が男の子に告白!?
男の子と付き合う!?


そっそんなバカな…。

しかも相手はあの増田…。


「本当に増田のこと好きなの??」

すると香織はコクリと頷いた。
その表情はいつになく真剣で少し口元が震えていた。



それでも香織の意思は固いらしく、拳を強く握ったことに私は気がついた。
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