軟派な王子様【完結】
「いいの。ごめんね。次のとことりあえずあわせてみよう。」



でも私たちはここまで一生懸命に練習を重ねてきた。

一日たりとも練習をかかしたことはない。


だからこそ、私はこの演奏会を二人で成功させたかった。



そのためにも私がここで昇くんに変な感情を抱いてはいけないんだ。














「遠藤さん。そこまで一緒に帰ろう。」


昇くんはバイオリンを片付けながら私にポツリと言った。


断る理由も見つからず、私は少しきまづい空気の中、昇くんの隣を歩いていた。


昇くんは何も言わず、私の顔を見ることもせず、ただ歩いていた。








学校の校門あたりにきたとき、昇くんが急に口を開いた。
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