軟派な王子様【完結】
そのとき、遠くの方で車の凄まじいエンジン音が聞こえた。





そしてそのエンジン音がだんだんとこちらへ近づいてくる。




そしてその根源は私たちの前で止まった。





赤いポルシェ。





中から顔をだしたのは…。





「翔!?」






翔は平然とした顔でタバコを口にくわえている。





「乗れよ、送る。」




「いいわよ!!昇くんと一緒に帰ってるんだから。」



ほんとに優柔不断な男だ…。

「バカやろう。せっかく会社早抜けしたのに、んなこと言うやつあるか。」

私は本当にこの男に胸を熱くさせたのだろうか…。

なんだか少しばかばかしくなった。
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