軟派な王子様【完結】
「いいよ、遠藤さん。せっかく迎えにきてくれたんだ。送ってもらって。」


昇くんはまぶしいばかりの優しい笑顔を私に向けた。


「ちったー聞き分けのあるやつじゃねーか。」

「もう!!翔は黙って!!」


私の怒った顔を見て昇くんは私の背中を押した。

「また明日ね。」

「え!?うっうん…。」

私は仕方なく車へ乗った。

「ごめんね、昇くん。」


するとまた昇くんは優しく微笑み手を振った。

私もなんとなく笑った。
そして手を振り替えした。

なんて素敵な笑顔なんだろう。


本当に何の穢れもない爽やかな笑顔。


「おい、一姫に手ぇ出したら俺がゆるさねーからな。」


「ばか!!あんたとあたしはなんでもないでしょ!!勘違いさせるようなこと言わないで!!」

私は叫んだ。

するとまた昇くんは笑った。




車が動き出す。


私はもう一度昇君に手を振った。
< 81 / 148 >

この作品をシェア

pagetop