軟派な王子様【完結】
「それよりあいつは誰なんだよ…。」



翔はやっと信号待ちで煙草の火を消した。


その手元は落ち着きなくハンドルの横を忙しなく叩いている。



「あいつって??」

私は知らないふりをした。

「だから!!さっきお前の隣にいたやつだよ…。」



その顔はどこかかわいく、少し赤みを帯びている。



「何??嫉妬??」

少し意地悪をしたくなった。



その時、私の中に本当に翔は私のことを想ってくれているのかもしれないなんていう小さな光が芽生えた。
それは私にとって大きな変化だったと思う。
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