軟派な王子様【完結】
「ちっちげーよ!!んなことあるわけねーだろ!!」


翔はハンドルをバンバン叩いてそっぽを向いた。

私は思わず笑ってしまう。


「なんでもないよ。部活のお友達。」


まるで百面相のように翔の顔はコロコロ変わる。
一瞬安心したような穏やかな表情になる。


「あーでも、昇君は私のこと好きだって。」


私のS心が疼く。
もちろんその言葉に翔の顔は一変して焦りだす。


「そっそうかよ。まぁ俺に勝てるわけねーけどな。」


私は翔のあからさまな態度に少し呆れていた。

それでも、翔のその態度が少し嬉しいと思ってしまったことに私は少し負けた気がする。


「で…お前は…そいつのこと好きなのかよ。」

「私は…。」


突然で予想だにしていなかったその質問に私は言葉をなくしてしまった。


一体私は昇君のことをどう思っているのだろうか。

さっき昇君に言われた男としてみるってどういうことなんだろうか。


思わず翔の横顔を見てしまった。

私は翔のことをどう思っているのだろう。

男が嫌いなんて…


ただ意地を張ってるだけ??
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