軟派な王子様【完結】
気がつけば金曜の夜。



「一姫ー!!明日は早いんだから早めに寝なさいよ!!」

「はーい!!」

お母さんが一階から叫んだ。

私は適当に返事をしてベッドにもぐりこむ。


少し緊張をしていた。


私にとっては初めての演奏会だ。

今後の部活動にも大きな影響を与えることにもなるだろう。
そのことを思うとプレッシャーで胸が押し潰されそうになった。



その時、枕元の携帯が鳴った。


メールの着信音。


『明日、お前のことだからきっと成功すると思うけど…。まぁ頑張れよ。』

翔からだった。


「珍しい。」


私はその夜、携帯を抱いたまま眠った。



なんだか心が落ち着いた。
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