私の生き方
それから月日は流れて小学校高学年になったある日の事。私は誰も居ない家に帰って一人で寂しくて泣いていた。早く誰か帰って来ないかなぁ何て思っていた。

母が働かなくてはいけない理由を知ったのはそんな日で、その日から地獄の日々は始まった。

何も知らなかった私はおとなしい普通の小学生の女の子として育っていた。そんなある日の事。

兄が学校に行かなくなった、理由は分からなかった。数日たって私は理由を知った。

兄は本当は心根の優しい兄だったが、両親のせいで悩み苦しんでいたその理由は、

母は幼い頃から受け継いだ宗教にのめり込んでいた。

父はそんな母への反発心からギャンブルに走った。

私達は幼くてどうする事も出来ずただ傍観するしかすべがなかった。

母は父の稼ぎの大半を宗教につぎ込んだ。食べる物も底をついた日もあった。

電気代や水道代を払えず真っ暗の中一本のろうそくだけが明かりを灯してくれた日もあった。

兄はそんな生活が嫌で、母に反発していた友人に普通の家庭が良い。とこぼした日もあったらしい。

母に対して、どうして普通じゃないんだと、一緒に皆でご飯を食べて、穏やかに話をして暮らせないのかとひどく母に詰め寄った日もあった。

そんなある日の事、母は兄の態度が気に入らなかったのか、父を使って暴力で捩じ伏せようとした。

そんな姿を涙を流して私は眺めていた。

そして悟った、神様は居ないんだ、救って何てくれないんだと。

自分の中で何かが静かに音を立てて少しずつ崩れていった。
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