私の生き方
それから神様に何度となくすがっては憎んでの繰り返しの日々だった。

私も学校に行かなくなった。家に閉じこもって部屋の隅っこで膝を抱えてじっと時が過ぎるをのを待っていた。絶望しかその時はなかった。

それから中学生になったが、集団行動がどうしても苦手で、他人を拒絶して学校に結局行かなかった。

学校に行くのもお金がかかるのは分かっていたしとにかく行きたくなかった。

制服やバッグいろいろな物を新しく用意してくれていたが知らない人がいっぱいで不安でどうしようもなかった。

行かなくなって直ぐの時母に「行かないのなら何故制服やバッグを買わせたんだ。」と責められた。

私は何も言えなかった。言えるはずがない。

それから中学二年の時に兄が交通事故でで亡くなった。

冬の寒い日だった。

その日からその家の時間は止まってしまった。

カレンダーも兄の部屋もそのまま時間が止まってしまった。

珍しく「すぐ帰って来るから」と言ったのに帰って来なかった。

「母は私が殺した」と自分を責めていた。死ねばいいのにと願っていたらしい。

直進した兄に向かって車が曲がって来てタイヤで踏みつけられ兄は亡くなった。

救急車に乗った時はまだ意識があり、病院について急変して、「痛い痛い」と言って息を引き取ったらしい。

あばらと心臓が圧迫されて亡くなった。顔はとても綺麗だった。

ただ眠っているだけだと思った。

頬に触れたらまだ温かかった。

泣き崩れてすぐ帰って来るって言ったのにと言って涙が止まらなかった。

どんなに苦しんだのだろう。

兄はなくなる前とある接触事故をおこして相手が悪かったのか多額のお金を要求されていたらしい。

今となっては本当の事は分からない。

でも事実なら私は絶対にその相手を許さない。

地獄行きだ。天国などに私が絶対に行かすものか。

兄を引き殺した相手もけして許さない。お金を渡せば全て終わり等と甘く思うなよ。

本当に改心したなら心を入れ換えるのが筋だろう。でなければ死んだ兄が浮かばれない。

私が恨もうが許さないのだろうがきっと兄が許さないだろう。

人の姿をした悪魔だ。人の皮を被った闇だ。

誰にだって闇はあるだろうが底まで堕ちたらもう人ではないだろう。

あの世でせめぐに遭えばいい。

そうすれば少しは怒りも収まるだろう。

私の中でまた何かが静かに音を立てて壊れた。

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