天国の貴方へ届けたい
聖也君はあたしの頭に手を乗せた。




「…悪かったよいきなり。てっきり俺の家計がヤクザだから避けてんのかと思った。




美月のこと超美人だって男子の間で噂になってて話しかけたんだ」




聖也君の意外な一面にあたしは何故かほっとしたような気がした。




聖也君って本当は優しいのかもしれない。




もしそうだとしたらあたしは何であんなに聖也君のこと怖がってたんだろう。




聖也君のこと何も知ろうともしないで勝手に決めつけたあたしも悪かったんだ。




それに次の恋ができずに勝手に落ち込んで聖也君に八つ当たりしてただけなんだ…




「あたしこそごめんなさい。さっきはあんなに怒鳴って…あたし聖也君に八つ当たりしてた」




「八つ当たりって何をだ?」




「あたしね、中三の時彼氏がいたの……」




あたしは元彼振られてしまった時のことを聖也君に話した。



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