with LIFE

私が通ってる高校は
県内でも有名な金持ち学校。



金を払えばどんなバカでも
テストなしで入れる。


大学へもエスカレーター式。





世間からは、


"落こぼれ学校"


なんて呼ばれてても
中にはやっぱり
ちゃんと勉強してる人もいるわけで。



テストになると、
上位と下位との点数の差が出るわけで。



そんななか、
わたしは良くも悪くもなく、


普通なわけで。






「おはようございます!長野さん。」

聞き慣れた自分の名前を
見慣れた人に呼ばれる。


「…おはようございます。」


そろそろ敬語には飽きた。

最後に普通に喋ったのは
いつだったかな。


もう
疲れた。



そんな事を考えてるうちに
いつの間にか教室に着いていた。



「…それで昨日はさすがに疲れてしまって。」


「え、ああ。ごめんなさい。
ボーッとしてました。
もう一度お願いしてもいいですか?」


「あー、いいんですいいんです!
わたしの話なんか忘れて頂いて。」




そんなこと言われると気になる

なんてことを思ったのは昔のこと。
今はもう慣れて
気にしなくなった。



「ごめんなさい。
じゃあ、わたしはここで。」


「ええ!また後で。」



また後で、、、か。


無理してこなくていいのに。

ほっといてくれていいのに。




教室に入ると
クラス中の生徒が
わたしにあいさつする。


挨拶されるたびに
気のない返事を返す。




昨日も今日も
きっと明日も、



何も変わらず
これが毎朝続く。
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