モテるんは俺の趣味やっ!
「おー、たっちゃん。


今日も可愛ええなぁ」






先輩の一人から、がしがしと頭を撫でられて、たっちゃんはにかっと笑う。






「もちろんですわ!!

ヘアセットと服選びに二時間以上かかっとりますもん!!」






「ぷっ、二時間!? 

ほんま、言うこと成すこと、あほくさいやっちゃなあ」






「あほくさくてええんです、モテんなら」






「はははっ。努力の甲斐あって、めっちゃ可愛ええぞ、良かったな」






「おおきにー!!」






たっちゃんが抱きつくと、周りの先輩たちが、「ずるいで、一人だけ!」とブーイングを飛ばしている。



まったく、先輩らもどうかしてはるわ。





そして今度は、後輩たちにわらわらと囲まれるたっちゃん。






「たっちゃんさん!!


たっちゃんさんて、ほんま、いっつも可愛ええし、いっつもカッコええし、もー、ばり憧れます!!」







たっちゃんがにんまりと笑う。



きもいっちゅうねん。







「ほんまか~? 俺のこと好きか~??」






「好きですっ!!」







ーーーどないやねん。



男同士の先輩後輩の会話やで?



冗談にも程があるわ。





そんで、それを普通に受け入れとる周りも、どないやねん。





このサークル、大丈夫やろか?







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