憂鬱なソネット
すると、寅吉もへらりと頬を緩めた。
「あやめさんが、やっと笑ってくれた」
心から嬉しそうな顔でそんなことを言うから、むすっとしていた自分が申し訳なくなる。
「やっぱり笑顔が可愛いよ、あやめさん」
「…………そりゃどうも」
やばい、顔が熱い。
恥ずかしすぎるので、あたしは顔を背けて歩き出した。
寅吉がぱたぱたとついてくる。
「あやめさん」
「なによ」
「なんで逃げるの」
「別に逃げてるわけじゃ」
「じゃあ、こっち向いて」
それは無理。
こんな恥ずかしい顔、見られたくない!
あたしは火照る頬を隠そうと、くっと俯いた。
「あやめさんが、やっと笑ってくれた」
心から嬉しそうな顔でそんなことを言うから、むすっとしていた自分が申し訳なくなる。
「やっぱり笑顔が可愛いよ、あやめさん」
「…………そりゃどうも」
やばい、顔が熱い。
恥ずかしすぎるので、あたしは顔を背けて歩き出した。
寅吉がぱたぱたとついてくる。
「あやめさん」
「なによ」
「なんで逃げるの」
「別に逃げてるわけじゃ」
「じゃあ、こっち向いて」
それは無理。
こんな恥ずかしい顔、見られたくない!
あたしは火照る頬を隠そうと、くっと俯いた。