この思いを迷宮に捧ぐ
千砂の仕事を手伝うように言えば、断りもしない。

そうでない時間には何をしているのか知らないが、宮殿内の人間から、翠が豪遊しているとか我がまま放題しているとか、そういう報告を受けたこともない。

変な人。

水路視察の折に雨が降るといいのにと、抱いていた淡い期待は、あっさりと打ち砕かれた。
千砂は、さらに干上がっている範囲が拡大していることを、現地で報告される羽目になった。

こうなると、給水がどこまで間に合うかがキーになる。



千砂は、予定を変更して、近くの給水場へ立ち寄った。

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