この思いを迷宮に捧ぐ

...どこがいいのだろう、こんな軽そうな男。

「あ、これから客が来るんだ。準備の時間かも。またね」

はい、と頷く彼女の髪を、優し気な手つきで撫で、翠は宮殿の入り口に向かったのだった。


…客?

あの男に来客の予定なんてないはずだ。


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「受け取っていただけませんか」

震える手で差し出された手紙を、翠はじっと見た。
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