この思いを迷宮に捧ぐ

…モテ期か。
今回は、見慣れない女の子と翠が、通用口のそばに立っていた。

出て行きづらい雰囲気に、千砂は思わず身を隠した。


「今読んでもいい?」

「は、はい」

答えた彼女の動揺が、手に取るようにわかって、千砂は胸が痛む。


まさか、目の前でラブレターを読まれるなんて想定外だったのだろう。

さっと読み終えて、翠は手紙を畳み始める。

「君の気持ちはわかった」
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